GLP-1ダイエットについて

GLP-1（グルカゴン様ペプチド-1）は、もともと人間が持っている生理的なホルモンで、食事中や食後に小腸から分泌され、脳をはじめ体内の各部に作用して食欲の抑制を行います。 ダイエット注射でGLP-1を体内に補充することで、自然に食欲を抑え空腹感が減少するので、食事の量も自然に減り、食べ過ぎることがなくなります。食事制限がストレスになり長続きしない方、リバウンドが心配な方、運動が苦手な方にもおすすめのメディカルダイエットです。

GLP-1ダイエットの仕組み

GLP-1受容体作動薬（GLP-1アナログ）という薬を使用することで、以下のような効果が期待されます。

• 食欲抑制
  脳の満腹中枢を刺激し、食欲を自然に抑える
• 胃の動きを遅くする
  食べたものがゆっくり消化されるため、満腹感が長続きする
• 血糖値の調整
  インスリン分泌を促進し、血糖値の急激な上昇を防ぐ

当院で処方するGLP-1について
セマグルチド（リベルサス）

セマグルチドは毎日の経口薬（リベルサス）です。

メリット

• 無理な食事制限なしで食欲をコントロールできる
• 比較的安全に体重減少が期待できる
• 糖尿病の予防や血糖コントロールにも有効

デメリット・注意点

• 副作用：吐き気、嘔吐、便秘、下痢などの消化器症状が起こる可能性がある
• 費用：保険適用外で自費診療となります。
• 継続が必要：薬の使用をやめると食欲が戻る可能性があります。
• 医師の指導が必要：自己判断での使用はリスクがあります。

まとめ

GLP-1ダイエットは、医学的に食欲をコントロールしながら減量を目指す方法ですが、副作用や費用の面も考慮する必要があります。

GLP-1とは

Glucagon-like peptide-1 receptor(GLP-1)は小腸L細胞から産生・分泌される生理活性ペプチドです。現在広く糖尿病治療薬として応用されており、分泌されたGLP-1は膵臓のランゲルハンス島β細胞に作用してインスリン分泌を介した血糖降下作用を示します。血糖変動を低減し、かつ低血糖をきたしにくい性質があり、このことにより、心臓血管死や腎機能障害リスクなどの心血管イベントを有意に低減することが知られております。

GLP-1によるアンチエイジング効果

• ①GLP-1受容体作動薬による食欲抑制効果
  GLP-1は中枢神経系・視床下部を標的として作用し、食欲を抑制する働きがあります。空腹感が減り、過食を防止する他、胃の蠕動を抑制する効果により、消化スピードを緩和することで血糖値の上昇が抑えられるため、ダイエット効果があるといわれています。この作用により、嘔気などの消化器系副作用が約３割にみられます。

• ②心血管死亡率抑制作用と抗動脈硬化作用
  GLP-1は各種組織、細胞レベルでの抗炎症作用・抗酸化作用を有し、これらの効果を介した抗動脈硬化作用を有することがしられています。

• ③脂肪肝・臓器への脂肪沈着改善効果
  GLP-1受容体作動薬が非アルコール性脂肪肝炎NASHや心臓への脂肪沈着を抑制することが、実験動物のみならず患者さんにおいてもほうこくされています。肝臓への脂肪蓄積を抑制する効果、および脂肪合成を抑制する効果が示唆されています。

• ④血管新生・神経再生効果
  GLP-には、神経の再生や血管新生を促す効果が動物実験で示されております。

以上のように、GLP-1には、基礎、臨床のエビデンスの蓄積により抗老化作用が期待できることが示されています。抗老化作用を目的に、薬剤としてGLP-１を摂取することは日本では保険適応上みとめられていないため、自由診療となります。

また、薬剤を摂取せずとも、内因性に生活習慣によりGLP-1分泌を促すことは可能であり、食事の順番・食物繊維食・EPA摂取・運動などが分泌誘発を促す方法として期待されており、まずは日々の生活習慣を、できるところから改善させていくことが大切です。

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