単純ヘルペス(口唇・性器)の治療・PIT療法
単純ヘルペス(口唇ヘルペス・性器ヘルペス)とは?
単純ヘルペス(口唇ヘルペス・性器ヘルペス)について
「唇の周りがピリピリする」「小さな水ぶくれができて痛がゆい」——そのような症状が現れたら、それは「単純ヘルペス」かもしれません。
単純ヘルペスは、日常的にとてもよく見られる皮膚疾患の一つです。「単純ヘルペスウイルス」というウイルスが皮膚や粘膜に感染することで起こります。 このウイルスの最大の特徴は、「一度感染すると、症状が治まっても神経の奥に潜伏し続ける」ということです。そのため、健康な時は何も症状が出ませんが、体の免疫力が下がったタイミングでウイルスが再び活動を始め、再発を繰り返す傾向があります。決して珍しい病気ではありませんので、ひとりで悩まず、まずは一度ご相談ください。
口唇ヘルペス(熱の花)について
「風邪をひいた後に、唇の端に水ぶくれができた」「疲れるといつも唇の周りがピリピリしてくる」 このような症状でお悩みの方は、「口唇ヘルペス」の可能性が高いです。昔から「熱の花」とも呼ばれ、日本人にとって非常に身近な皮膚の病気です。
口唇ヘルペスとは?
単純ヘルペスウイルスが、唇やその周囲の皮膚に感染することで発症します。 このウイルスの厄介なところは、一度感染すると、症状が治まった後も顔の神経の奥(三叉神経節)に静かに潜伏し続ける点です。健康な時は悪さをしませんが、体の抵抗力(免疫力)が落ちたタイミングで再び暴れ出し、再発を繰り返すのが大きな特徴です。
症状の進行ステップ
症状は一般的に以下のような順番で進行し、1〜2週間程度で治癒します。
- 予兆(発症の半日〜1日前) 唇やその周辺に、ピリピリ、チクチク、むずがゆいといった違和感やほてりが現れます。
- 赤み・腫れ(1〜3日目) 違和感のあった部分が赤く腫れ上がってきます。
- 水ぶくれ(3〜5日目) 中に液が溜まった小さな水ぶくれ(水疱)がいくつか集まってできます。痛みや熱感を伴うことが多いです。
- かさぶた(1〜2週間後) 水ぶくれが破れてただれ、やがてかさぶたになって剥がれ落ち、元の皮膚に戻ります。
なぜ再発するの?(発症の引き金)
普段はおとなしくしているウイルスですが、以下のように「体が弱っているサイン」が出た時に目を覚まします。
- 風邪、発熱、胃腸の不調
- 過労、睡眠不足、強い精神的ストレス
- 強い紫外線(海やスキー場などでの日焼け)
- 女性の生理前など、ホルモンバランスの変化
当院での治療法
治療には、ウイルスの増殖を抑える「抗ウイルス薬」を使用します。
- 飲み薬(内服薬): 確実な効果が期待できるため、基本となる治療です。全身からウイルスの増殖を抑え、症状を早く鎮めます。
- 塗り薬(外用薬): 症状がごく軽度の場合や、飲み薬と併用して使用することがあります。
【頻繁に再発を繰り返す方へ(PIT療法)】 年に何度も口唇ヘルペスを繰り返す方には、**あらかじめお薬を処方しておく治療法(PIT療法)**もご提案しています。 ご自宅にお薬を常備していただき、ピリピリという「予兆」を感じた時点でご自身の判断ですぐに薬を飲んでいただくことで、症状が出る前に抑え込んだり、極めて軽く済ませたりすることが可能です。
ご家庭での注意点(人にうつさないために)
水ぶくれの中や破れた液には、大量のウイルスが含まれており、非常に感染力が強いです。
- 絶対に触らない・潰さない 触った手で目をこすったり、他の部位を触ったりすると感染が広がります。薬を塗る際は優しく患部に乗せるようにし、前後はしっかり手を洗いましょう。
- タオルの共有はNG ご家族間でのタオルの共有は避けましょう。コップや食器も使用後は洗剤でしっかり洗ってください。
- 赤ちゃんとの接触に注意 免疫のない乳幼児に感染すると重症化する恐れがあります。症状が出ている間の頬ずりやキスは避けてください。
治療の鉄則は「ピリッときたら、すぐ受診」
抗ウイルス薬は、ウイルスが最も活発に増殖している「症状の出始め(ピリピリし始めた時)」に使用するのが一番効果的です。水ぶくれがひどくなってからでは薬の効果が十分に発揮されず、治るまでに時間がかかったり、痕が残ってしまったりすることがあります。
「いつものヘルペスかな?」と思ったら、決して放置せず、できるだけ早く当院へご相談ください。
皮膚科クリニックのホームページ向けに、患者様が抱きやすい不安や恥ずかしさに寄り添い、安心して受診していただけるような温かみのあるトーンで作成しました。
性器ヘルペスは「初めて感染した時」と「再発した時」で症状の重さが大きく異なるため、その違いが視覚的にわかりやすくなるよう構成しています。
性器ヘルペスについて
デリケートな部分に痛みを伴う水ぶくれやただれができると、「もしかして重大な病気ではないか」と非常に強い不安を感じるかもしれません。
性器ヘルペスは、決して特別な病気ではありません。性活動のある方なら誰でも感染する可能性のある、ごく一般的な皮膚疾患です。ひとりで抱え込まず、まずは一度ご相談ください。
性器ヘルペスとは?
「単純ヘルペスウイルス」が、性器やその周辺(お尻や太ももなど)の皮膚・粘膜に感染することで起こります。
口唇ヘルペスと同じように、一度感染すると症状が治まった後も神経の根元(仙髄神経節)にウイルスが潜伏し続けます。そのため、体調を崩した時などに再び活動を始め、再発を繰り返すという特徴を持っています。
「初めての感染」と「再発」の違い
性器ヘルペスは、初めて感染して発症した場合(初感染)と、潜伏していたウイルスが再発した場合とで、症状の強さが大きく異なります。
| 初感染(初めて症状が出た時) | 再発(2回目以降) | |
| 痛み | 非常に強い(歩くのもつらい・排尿時に痛む) | 軽い痛み、または違和感程度 |
| 皮膚の症状 | 複数の水ぶくれ、深いただれ | 狭い範囲に小さな水ぶくれが数個 |
| 全身の症状 | 発熱、だるさ、足の付け根のリンパ節の腫れ | ほとんどなし |
| 治るまでの期間 | 2〜4週間程度 | 1週間程度 |
※初めて症状が出た場合でも、過去に無症状のまま感染していて、今回「初めて再発した」というケースでは、症状が軽く済むこともあります。
なぜ再発するの?
普段は体の免疫力によって抑え込まれていますが、以下のような要因で免疫力が低下すると、再発しやすくなります。
- 疲労の蓄積、睡眠不足
- 強い精神的ストレス
- 性行為による皮膚への摩擦
- 月経(生理)などによるホルモンバランスの変化
当院での治療法
ウイルスの増殖を抑える「抗ウイルス薬(飲み薬)」による治療が基本となります。
塗り薬だけでは十分な効果が得られにくいため、体の内側からしっかりウイルスを抑え込む内服薬を使用します。初感染で痛みが非常に強い場合は、痛み止めも一緒に処方し、辛い症状を和らげます。
【頻繁に再発を繰り返してお悩みの方へ】
「年に何度も再発してしまい、精神的にも辛い」という方には、再発抑制療法という治療法をご提案しています。
これは、症状が出ていない時期にも毎日少量の抗ウイルス薬を飲み続けることで、ウイルスの増殖を常に抑え込み、再発そのものを防ぐ治療です。ご希望の方は診察時にご相談ください。
パートナーへうつさないための注意点
- 症状がある時の性交渉は控える水ぶくれやただれがある時期は、ウイルスが大量に排出されています。コンドームを使用しても、覆いきれない部分から感染するリスクが高いため、完全に治るまでは性交渉(オーラルセックスを含む)を控えてください。
- 患部を触った手はすぐに洗う患部を触った手で目をこすったりすると、目に感染してしまうことがあります。入浴時などに患部を触った後は、必ず石鹸で手を洗いましょう。
- タオルの共有を避けるお風呂上がりに患部を拭いたバスタオルなどは、ご家族やパートナーと共有しないようにしてください。
お一人で悩まず、お早めにご受診ください
デリケートな部位の症状は、誰しも受診をためらってしまうものです。しかし、放置して症状が悪化すると、痛みが強くなり日常生活に支障をきたすこともあります。
早期に治療を開始すれば、それだけ早く辛い症状を取り除くことができます。宝塚・西宮エリアでご不安を抱えていらっしゃる方は、恥ずかしがることはありませんので、どうぞ安心して当院へお越しください。
当院で美容施術を考える
未成年の方は
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この記事の監修者
咲愛会 きじま皮フ科クリニック 理事長・院長
医師・医学博士 日本皮膚科学会専門医 日本アレルギー学会専門医
神戸大学医学部医学科卒業
皮膚科、アレルギー科、 美容皮膚科を中心に、一人ひとりの状態を考えて、オーダーメイド皮膚医療を行うことを心がけています。
一人ひとりが輝けるよう、 皮膚のお悩みをサポートしていきたいと考えています。
