赤ら顔・酒さ
酒さ(しゅさ、rosacea)とは、顔面の赤み・ほてり・ぶつぶつ・血管の拡張などを主な症状とする、慢性的で再発しやすい皮膚疾患です。特に中年以降の女性に多くみられますが、男性にも発症します。
酒さの主な特徴
| 特徴 | 内容 |
|---|
| 発症部位 | 主に顔(鼻、頬、額、あご) |
| 主症状 | 赤み(紅斑)、毛細血管拡張、丘疹、膿疱、皮膚のざらつき、熱感 |
| 慢性経過 | 増悪と軽快を繰り返す |
| 対象年齢 | 主に30〜60代、女性に多い |
酒さの分類
酒さは症状により、以下のタイプに分類されます(複数重複することもあります)
- 紅斑性酒さ
→ 頬・鼻などが慢性的に赤くなる。毛細血管拡張も見られる。 - 丘疹膿疱性酒さ
→ にきび様のぶつぶつや膿疱が出現。 - 鼻瘤(びりゅう)性酒さ
→ 主に男性に見られ、鼻が肥大して赤紫色に変形(いわゆる「赤鼻」)。 - 眼型酒さ
→ 眼のかゆみ・乾燥・異物感・結膜炎など。
酒さの原因
原因は完全には解明されていませんが、以下の要因が関与すると考えられています
- 血管の過敏性(顔面の血流の異常)
- 紫外線・気温差・アルコール・香辛料などの刺激
- 皮膚ダニ(Demodex)の関与
- 免疫の異常や遺伝素因
- ホルモン変化やストレス
酒さの治療
酒さにおけるQOLの低下はアトピー性皮膚炎や乾癬よりも大きく、酒さの治療では患者様に疾患について正しい理解を持っていただき増悪因子を避けること、薬物治療、日常のスキンケア、の3要素が必要です。
近年、酒さの治療は病型別から症候別のアプローチにシフトしつつあります。その背景として病型に複数のサブタイプがあり、治療経過でもサブタイプの移行は病型の中間型が見られ、病理学的な特徴の有無も関わり、特徴が異なる症候のすべてを1つの治療方法で改善させることが難しいことが挙げられます。「尋常性ざ瘡・酒さ治療ガイドライン2023」の改訂ではCQが治療別から病型別に変更され、メトロニダゾール外用薬の酒さに対する日本の臨床試験の結果を受け、丘疹膿疱型酒さにおいてはじめて推奨度Aになりました1)。その他にはアゼライン酸外用やテトラサイクリン内服が推奨度C1になりました。
症候別にアプローチすることで、患者様のケアを個別化し、症状に応じた診断と管理を行うことを当院は心掛けております。
| 病型分類 | 症状 | 重症度 | 治療法 |
| 紅斑毛細血管拡張型 | 持続型紅斑 毛細血管拡張 一過性潮紅 フラッシング | 紅斑の強さ エピソードの頻度 持続時間・範囲など | レーザー治療 レーザーシャワー Frac3酒さモード SR 血管収縮薬外用 ブリモニジン 肌育治療 プルリアルデンシファイ ボライト |
| 丘疹膿疱型 | 丘疹・膿疱 | 病変の数 顔面に占める範囲 | メトロニダゾール外用 ドキシサイクリン内服 イベルメクチン外用 過酸化ベンゾイル外用 ミノサイクリン内服 メトロニダゾール内服 |
| 鼻瘤 | 瘤腫・小結節 形態変形 | 炎症の程度 皮膚の肥厚・変形 | |
| 眼型 | 眼瞼炎 結膜炎 |
酒さのスキンケアにおける注意点
| 酒さのスキンケアにおける注意点 ✔POINT1:刺激の強い物を避ける ✔POINT2:無香料のスキンケア製品、メイクアップ製品を選択する ✔POINT3:初めて使うときは顔以外の部位で試す ✔POINT4:使用するアイテムを最小限にする | |
| 洗顔 | ・1日2回の洗顔で余分な皮脂や汚れを落とすことも重要 ・研磨性のタオルやスポンジの使用を避ける ・ぬるま湯で洗顔料を洗い落とし、優しくタオルでふき取る |
| 保湿 | ・湿った皮膚では刺激性が強い為30分乾かしてから保湿剤を使用する ・刺激を感じない保湿剤を外用する ・指やスポンジで皮膚を擦ったり引っ張ったりしない |
| 日焼け止め | ・症状が改善するまで日焼け止めは一旦中止する ・日焼け止め使用しても症状が悪化しないようであれば再開する ・日光暴露を避けるため、適切な強さの製品を通年通して外用する ・刺激の少ない製品を使用する(ノンケミカル・紫外線吸収剤フリー) |
| メイクアップ | ・症状が改善するまでメイクは控える ・症状改善後に1種類ずつ使用可能か慎重に再開する |
| 髭剃り | ・鋭い刃による刺激を避けるため電気シェーバーを使用する ・シェービング後は刺激の少ない保湿剤を使用する |
| その他 | 外用薬を塗った後はさらに5-10分かけてから保湿剤、日焼け止め、化粧品を塗る |
文献
1)山﨑研志ほか:日皮会誌.2023;133(3):407-50.
赤ら顔・酒さの診療
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この記事の監修者
咲愛会 きじま皮フ科クリニック 理事長・院長
医師・医学博士 日本皮膚科学会専門医 日本アレルギー学会専門医
神戸大学医学部医学科卒業
皮膚科、アレルギー科、 美容皮膚科を中心に、一人ひとりの状態を考えて、オーダーメイド皮膚医療を行うことを心がけています。
一人ひとりが輝けるよう、 皮膚のお悩みをサポートしていきたいと考えています。
