

みずいぼ
みずいほ
みずいぼ(伝染性軟属腫)は、ウイルス感染によって皮膚に小さな隆起ができる状態です。
通常は無害で痛みもありませんが、見た目が気になる場合や、かゆみや炎症を伴う場合には治療を行うこともあります。
SUHADA CLINIC きじま皮フ科宝塚南口Annexでは、みずいぼについて、とる、とらないは、おひとりおひとりの皮膚の症状、ご家庭での考え方、園や学校の方針、などを総合的に考えてご提案します。
みずいぼを取るべきかどうか!? 皮膚科医の判断POINT
✔自然消失を待ってもよい場合;多くの場合、みずいぼは数カ月から数年以内に自然に消えます。免疫が正常な場合、特に治療を行わなくても問題がないことが多いです。
✔症状がある場合;かゆみや炎症がある場合、または他の皮膚の病気と合併する可能性がある場合は、治療を検討することが重要です。特に、アトピー性皮膚炎など、普段から抗炎症薬の塗り薬を使用することが必要な方は、みずいぼが治りにくく、ひろがりやすい傾向にあります。そのため、積極的に治療していくことをおすすめしております。
✔見た目が気になる場合;特に顔や目立つ部分にできた場合、見た目が気になる場合には、医療機関での治療を考えてもよいでしょう。プールや水遊びなどで、「あの子からうつされた!」などと言われることで、傷つく方もすくなからずいらっしゃいます。水いぼは、小さいころはだれでもかかる疾患です。うつし、うつされ、免疫ができていずれ治っていくものですので、うつされた、などのお友達に言わないよう、正しい知識を大人が持つことが大切です。
原因・治療について
原因
Molluscum contagiosum virusによって引き起こされます。接触感染によって広がります。皮膚に小さな傷や湿疹があると、ウイルスが侵入しやすくなります。
・直接接触;みずいぼに感染した人が皮膚と直接接触することで感染します。
・間接接触;感染者が使用したタオルや衣類などを介してウイルスが広がることがあります。
治療
みずいぼの治療はいくつかあります。
1,自然経過の観察
多くの場合、みずいぼは特別な治療をしなくても、ウイルスに対する免疫がつくと、数カ月から数年以内に自然に皮膚から排除されます。自然治癒する時期が近づくと、みずいぼの周りがほんのり赤くなり、少しかゆみがでてきます。このような時は、もう少しすると自然に治ってくる時期が近づいてきている兆しです。免疫が正常な場合や、他の皮膚疾患がない場合は、自然にとれるまで経過観察することが推奨されることが多いです。
2,冷凍凝固療法
-196℃の液体窒素を使用して、みずいぼを凍結させる方法です。水いぼの細胞を凍結壊死させることで、約2-3日間赤くなり、約7-10日後に黒い血豆のようなカサブタとなり、その後自然にはがれおちます。施術中、冷たくて痛い感覚があり、施術後2-3日は擦れたときにピリピリとした痛みを少し感じることがあります。一度の治療で完全に剥がれ落ちないことがあり、1-2週間ごとに、数回治療を行うことが多いです。赤くなった場所に一時的に炎症後色素沈着が生じることがあります。
3,外用薬
医師が処方する外用薬を使用する方法で、皮膚のターンオーバーを促進し、剝がれやすくします(サリチル酸ワセリン)。
4,内服薬
ヨクイニンという漢方薬を内服することで、自然免疫を賦活化させ、ウイルスに対する抵抗力をつよくさせ、自然治癒を促すことがあります。ヨクイニンは、ハトムギが主成分の漢方薬のため、苦みがなく、小さなお子様でも飲みやすいお薬です。
5,手術的除去
大きな水いぼや通常の治療で効果がみられない場合には、外科的に切除することがあります。ピンセットで摘除します。痛みを伴うので、麻酔の貼り薬を予め貼ってきていただく場合があります。しかし、麻酔の貼り薬を使っても、痛みは緩和されますが、完全に無痛にはなりません。摘除後は、点状の傷になりますので、抗生剤の塗り薬を数日間外用していただきます。
摘除することで、摘除した箇所のみずいぼはなくなりますが、すぐに免疫がつくわけではないので、またしばらくすると他の場所にみずいぼが出現する場合もよくあります。
しかし、摘除することによって、血液とウイルスが触れ合うことによって、免疫反応が起こりやすくなり、治癒が早まります。
普通なら、摘除しなくても自然になおる疾患ですので、無理に摘除する必要はありませんが、特に、アトピー性皮膚炎をはじめとする、慢性皮膚疾患をお持ちの場合には、普段から外用薬をご使用いただいているケースがあります。
このような場合には、普段ご使用の抗炎症薬によって、みずいぼが広がりやすくなることがあります。また、みずいぼを取らずに置いておいた場合、自然治癒する段階で、かゆみが出現するため、みずいぼを掻いてしまうことがあります。その際に、とびひや、原疾患の悪化を誘発する場合があります。このような場合には、みずいぼは早めに除去しておくことで、広がりにくく、原疾患の治療も進めやすいです。

当院で美容施術を考える
未成年の方は
こちらをご確認ください
この記事の監修者

咲愛会 きじま皮フ科クリニック 理事長・院長
医師・医学博士 日本皮膚科学会専門医 日本アレルギー学会専門医
神戸大学医学部医学科卒業
皮膚科、アレルギー科、 美容皮膚科を中心に、一人ひとりの状態を考えて、オーダーメイド皮膚医療を行うことを心がけています。
一人ひとりが輝けるよう、 皮膚のお悩みをサポートしていきたいと考えています。