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秋から増える肌のかゆみ・乾燥肌 ― 皮膚科でできる治療とセルフケア

NEWS ドクターブログ
Close-up of a person gently touching their bare legs in a bright, calm spa-like setting, suggesting self-care or leg massage.

「秋になると、すねや背中がかゆくなる」「保湿剤を塗っているのに治らない」。そんなお悩みはありませんか。空気が乾く季節の肌のかゆみは、乾燥肌が原因になっていることが多く、皮膚科で治療できます。この記事では、かゆみの原因と受診の目安、皮膚科での治療、ご自宅でのケアをまとめました。

なぜ秋から肌がかゆくなるのか

肌の表面は、皮脂と角質層の水分によって外の刺激から守られています。これを肌のバリア機能といいます。秋になって気温と湿度が下がると、汗や皮脂の分泌が減り、角質層の水分も失われやすくなります。バリア機能が弱まった肌は、衣類のこすれなどのわずかな刺激でもかゆみを感じやすくなります。

暮らしの中にも、乾燥を進める要因があります。

  • 暖房:エアコンなどで室内の湿度が下がります
  • 入浴:熱いお湯や長湯、ゴシゴシ洗いは皮脂を落としすぎます
  • 加齢:年齢とともに、皮脂や肌の保湿成分は少なくなっていきます

「若いころは平気だったのに、毎年この時期になるとかゆくなる」という方が40代以降に増えるのは、このためです。

乾燥によるかゆみは「皮脂欠乏性湿疹」かもしれません

乾皮症と皮脂欠乏性湿疹の違い

肌が乾燥してカサカサし、白い粉をふいたようになる状態を「乾皮症(皮脂欠乏症)」といいます。いわゆる乾燥肌です。ここに掻く刺激などが加わり、赤みやブツブツ、ひび割れといった湿疹が出た状態が「皮脂欠乏性湿疹」です。

乾皮症の段階では保湿が治療の中心です。皮脂欠乏性湿疹まで進むと保湿だけでは治まりにくく、炎症を抑える治療をあわせて行います。

出やすい場所(すね・腰・背中)

もともと皮脂の少ない場所に出やすいのが特徴です。「すねがかゆい」「背中がかゆい」というご相談が特に多く、腰まわり、わき腹、太もも、腕の外側にもみられます。すねに、さざ波のような細かいひび割れが出ることもあります。

湿疹全般の症状や治療については、湿疹・皮膚炎のページでもご案内しています。

掻くとかゆみが強くなる悪循環

かゆいところを掻くと、その刺激で肌のバリアがさらに壊れ、炎症が強まって、かゆみが増します。乾燥した肌は、かゆみを伝える神経が刺激に敏感になっているともいわれています。「掻く → 悪化する → もっとかゆくなる」という悪循環を早めに断ち切ることが、治療のポイントです。

受診の目安 ― こんなときは皮膚科へ

次のような場合は、セルフケアだけで様子を見ず、皮膚科にご相談ください。

  • 赤みやブツブツが出ている
  • かゆみで夜眠れない、夜中に目が覚める
  • 掻き壊して、ジュクジュクしたり血がにじんだりしている
  • 市販の保湿剤を2週間ほど使っても良くならない
  • かゆい範囲が広がってきた
  • ご高齢のご家族が、無意識に掻き壊している

乾燥によるかゆみの診察と治療は、保険診療で受けられます。「これくらいで受診してよいのか」と迷う段階でも、ご相談いただいて構いません。

皮膚科での治療

乾燥によるかゆみの治療は、保湿で肌のバリアを補うことが土台です。そのうえで、症状に合わせて塗り薬や飲み薬を組み合わせます。

保湿剤(種類と使い分け)

種類主な成分特徴
水分を保つタイプヘパリン類似物質(ヒルドイドなど)角質層の水分を保ちます。クリーム・ローション・泡などがあり、広い範囲にも塗りやすい薬です
角質をやわらかくするタイプ尿素かかとやひじなど、硬くなった部分に向いています。傷や炎症があるとしみることがあります
肌を覆って守るタイプ白色ワセリン水分の蒸発を防ぎます。刺激が少なく、敏感な部分にも使えます

合う保湿剤は、塗る場所や季節、使い心地の好みによって変わります。診察で肌の状態を確認し、続けやすいものをご提案します。

炎症があるときの塗り薬

赤みやブツブツなどの湿疹が出ている部分には、炎症を抑えるステロイドの塗り薬を使います。薬の強さは、症状と塗る場所に合わせて選びます。良くなってきたら塗る回数を減らし、保湿剤だけのケアに切り替えていきます。自己判断で急にやめるとぶり返すことがあるため、塗る期間は診察でご相談ください。

かゆみ止めの飲み薬

かゆみが強くて眠れない、つい掻いてしまうという場合は、抗ヒスタミン薬などの飲み薬を併用することがあります。掻く回数を減らし、悪循環を断つ助けになります。眠気の出にくい薬もありますので、お仕事や車の運転がある方は診察時にお伝えください。

保湿剤の塗り方・量の目安と塗るタイミング

保湿剤は、塗り方しだいで効果が変わります。「塗ってもかゆい」という方は、量が足りていないことが少なくありません。

  • 量の目安:クリームや軟膏は、人さし指の先から第一関節まで出した量(約0.5g)で、大人の手のひら2枚分の広さに塗ります。ローションは1円玉大が同じ目安です
  • 仕上がりの目安:肌がしっとりして、ティッシュが軽く貼りつくくらいです
  • 塗り方:すり込まず、手のひらでやさしく広げます
  • タイミング:1日2回、朝と入浴後が基本です。入浴後は、肌がしっとりしているうちに早めに塗ります
  • 続ける期間:かゆみが治まったあとも、乾燥する季節の間は続けます

今日からできるセルフケア

毎日の習慣を少し変えるだけでも、かゆみは和らぎます。

  • 入浴の温度と時間:お湯は38〜40℃のぬるめにし、湯船につかるのは10分ほどにします
  • 体の洗い方:ナイロンタオルやボディブラシは使わず、よく泡立てた洗浄料を手でやさしくなでるように洗います
  • 洗浄料の選び方:低刺激で保湿成分の入ったものを選びます。乾燥の強いすねや腕は、毎日洗浄料を使わなくても構いません
  • 加湿:室内の湿度は50〜60%が目安です。加湿器や洗濯物の室内干しを活用します
  • 衣類:肌に直接触れるものは、綿などのやわらかい素材にします。ウールや化学繊維はチクチクして、かゆみのきっかけになることがあります
  • 暖房器具の使い方:温風が肌に直接当たらないようにします。電気毛布やこたつは、長時間の使用や高い温度設定を避けます

発疹がないのにかゆいときは

見た目には発疹がないのに体がかゆい状態を「皮膚そう痒症(ひふそうようしょう)」といいます。多くは乾燥が原因ですが、腎臓や肝臓の病気、糖尿病、甲状腺の病気、貧血など、内科の病気が隠れていることがあります。服用中のお薬が関係している場合もあります。

保湿を続けても良くならないときや、かゆみが長引くときは、必要に応じて血液検査で確認します。

よくある質問

市販の保湿剤と処方薬は何が違いますか?

保湿成分そのものは、市販品にも処方薬と同じ成分(ヘパリン類似物質など)を含むものがあります。違いは、皮膚科では診察で肌の状態を確認したうえで保湿剤を選び、湿疹があれば炎症を抑える塗り薬や飲み薬をあわせて処方できる点です。乾燥だけであれば市販品でのケアもできますが、赤みや強いかゆみがあるときは保湿剤だけでは治まりにくいため、受診をおすすめします。

高齢の親が掻き壊してしまいます。どうすればよいですか?

ご高齢の方は皮脂が少なく、乾燥によるかゆみが起こりやすくなります。背中など手の届かない場所は、ご家族が保湿剤を塗るのを手伝ってあげてください。爪を短く切る、熱いお風呂や長湯を避けるといった工夫も役立ちます。掻き壊した傷から細菌が入ることもあるため、赤みやジュクジュクがあれば早めに受診してください。ご家族と一緒に来院いただければ、塗り方をその場でお伝えします。

子どもの乾燥肌も同じ治療ですか?

基本は同じで、保湿が中心です。子どもの肌は大人より薄く、バリア機能が未熟なため乾燥しやすい状態にあります。塗り薬を使う場合は、年齢や塗る場所に合わせて種類と強さを調整します。乾燥や湿疹を繰り返すときは、アトピー性皮膚炎が関係していることもあります。アトピー性皮膚炎のページもあわせてご覧ください。

まとめ ― 乾燥肌のかゆみは皮膚科でご相談ください

  • 秋からのかゆみは、乾燥による乾皮症や皮脂欠乏性湿疹が原因のことが多くあります
  • 赤みやブツブツがある、夜眠れない、保湿しても良くならないときは受診の目安です
  • 治療は保湿を土台に、塗り薬と飲み薬を症状に合わせて組み合わせます
  • 入浴、加湿、衣類の見直しで、かゆみの出にくい肌を保てます

SUHADA CLINIC きじま皮フ科 宝塚南口Annexは、阪急今津線「宝塚南口」駅から徒歩5分の皮膚科です。乾燥肌やかゆみは、保険診療でご相談いただけます。宝塚でかゆみを相談できる皮膚科をお探しの方は、お気軽にご予約ください。

ご予約・ご相談

当院は予約制です。当日予約も承ります。

WEB予約 美容診療 0797-75-3820 保険診療 050-5830-3807

この記事の監修者

木嶋 晶子
木嶋 晶子(きじまあきこ)

咲愛会 きじま皮フ科クリニック 理事長・院長
医師・医学博士 日本皮膚科学会専門医 日本アレルギー学会専門医
神戸大学医学部医学科卒業

皮膚科、アレルギー科、 美容皮膚科を中心に、一人ひとりの状態を考えて、オーダーメイド皮膚医療を行うことを心がけています。
一人ひとりが輝けるよう、 皮膚のお悩みをサポートしていきたいと考えています。

医師紹介ページで経歴を見る 最終更新日:

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